目的別設定ガイド(FAQ)
-ここで扱うネットワークの情報−
管理すべきドメイン :aaa.com
上記ドメインに含まれる管理すべきサーバ
192.168.0.1(ホスト名:ns1.aaa.com) <このサーバ上でプライマリネームサーバを運用します>
192.168.0.2(ホスト名:www.aaa.com)
192.168.0.3(ホスト名:ns2.aaa.com)<このサーバ上でスレーブネームサーバを運用します>
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(以下の解説で用いられるネットワーク環境は、「BINDの設定と起動」で構築されたネットワークをモデルにしております。ここを読まれる前に、「BINDの設定と起動」を一読されることをお勧めします)
ホスト www.aaa.com の www. を省略したい
インターネットでは、www. をホスト(ドメイン)名の頭につけてhttpサービスを運用していることがほとんどです。そのため、決まりきったwww. を入力をせずとも、目的のホストを探し出せるような設定をすることがあります。
例えばwww.aaa.comの例では、次のようにdb.aaa.comを記述することで、aaa.comと入力した場合でも、www.aaa.comと認識させることができます。
db.aaa.comの内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns.aaa.com. root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
; Name Server
IN NS ns1.aaa.com.
; Address
@ IN A 192.168.0.2 <- この行を追加します
localhost IN A 127.0.0.1
ns1 IN A 192.168.0.1
www IN A 192.168.0.2
ns2 IN A 192.168.0.3
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ホストを追加したい
例えば、aaa.comに、www2 (192.168.0.4)というホストを追加するとします。
以下のようにaaa.comのゾーンファイル、db.aaa.comとdb.192.168.0に変更を加えます。
db.aaa.comの内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns1.aaa.com. root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
IN NS ns1.aaa.com.
IN NS ns2.aaa.com.
localhost IN A 127.0.0.1
ns1 IN A 192.168.0.1
www IN A 192.168.0.2
ns2 IN A 192.168.0.3
www2 IN A 192.168.0.4 <- この行を追加します
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db.192.168.0の内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns1.aaa.com. root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
IN NS ns1.aaa.com.
IN NS ns2.aaa.com.
1 IN PTR ns1.aaa.com.
2 IN PTR www.aaa.com.
3 IN PTR ns2.aaa.com.
4 IN PTR www2.aaa.com. <- この行を追加します
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ドメインを追加したい
※バーチャルホストを追加する場合は、基本的に同様の作業になります。例えば "virtualdomain.com" を追加したい場合は以下で説明されている、 "www1.bbb.com" 部分を "virtualdomain.com" に置き換えて説明をお読みください。
ドメインを追加する場合は、そのドメインのゾーンファイルと逆引き用のファイルを作成し、named.confに追記します。
以下の例では、ドメイン bbb.com を設定して、その中に2つのホスト、www1.bbb.com(192.168.0.4)、www2.bbb.com(192.168.0.5)を追加することとします。
これを具体的な作業手順にすると、
●新しく追加するゾーン(bbb.com)の正引きファイルを named.conf に追加する。
●新しく追加するゾーン(bbb.com)用の正引きファイルを新規に作成する。(db.bbb.com)
●新しく追加するゾーン(bbb.com)に属する新たなホスト情報を、すでにある逆引き用ファイル(db.192.168.0)に 追加する。
となります。
1. named.conf の変更
named.confにbbb.comのゾーンファイルを追記します。
named.confの内容:
options {
directory "/etc/namedb"
};
zone "." in {
type hint;
file "named.root";
};
zone "0.0.127.in-addr.arpa" in {
type master;
file "db.127.0.0";
};
zone "aaa.com" in {
type master;
file "db.aaa.com";
}; 既に定義されているaaa.com用正引きゾーンファイル
zone "bbb.com" in {
type master;
file "db.bbb.com";
}; ドメインbbb.com用正引きゾーンファイル
zone "0.168.192.in-addr.arpa" in { ;
type master;
file "db.192.168.0";
}; 既に定義されている192.168.0用逆引きゾーンファイル
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2. bbb.com用ゾーンファイルを作成
次にホスト www1 とホスト www2 を含む、 bbb.com 用のゾーン設定ファイルを作成します。
db.bbb.comの内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns1.aaa.com. root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
IN NS ns1.aaa.com.
IN NS ns2.aaa.com.
IN MX10 mx.aaa.com.
www1 IN A 192.168.0.4
www2 IN A 192.168.0.5
www IN A @
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3. 逆引き用ファイルに新しいゾーンのホスト情報を追記
すでにある192.168.0に新しく追加されたホストの情報を書きこみます。
db.192.168.0の内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns1.aaa.com. root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
IN NS ns1.aaa.com.
IN NS ns2.aaa.com.
1 IN PTR ns1.aaa.com.
2 IN PTR www.aaa.com.
3 IN PTR ns2.aaa.com.
10 IN PTR vd.aaa.com.
11 IN PTR vd.aaa.com.
4 IN PTR www1.bbb.com.
www1.bbb.com用逆引き設定
5 IN PTR www2.bbb.com.
www2.bbb.com用逆引き設定
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これで、このネームサーバは aaa.com と bbb.com の2つのゾーン情報を持ったことになります。
メールの配送先サーバを指定したい
aaa.com宛のメールを、一旦全てmx.aaa.com(192.168.0.5)というサーバに配送されるようにしたいとします。このような時は、aaa.comのゾーンファイルにMXレコードを追加します。
db.aaa.comの内容:
$TTL 259200
@ IN SOA ns.aaa.com root.aaa.com. (
199911231
86400
10800
604800
259200
)
; Name Server
IN NS ns1.aaa.com.
IN NS ns2.aaa.com.
IN MX10 mx.aaa.com. <- この行を追加します
; Address
localhost IN A 127.0.0.1
ns1 IN A 192.168.0.1
www IN A 192.168.0.2
ns2 IN A 192.168.0.3
MX IN A 192.168.0.5
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以上の設定により aaa.com 宛のメールは、一旦MX.aaa.comというホストの/var/mail ディレクトリ以下に、それぞれのユーザー名で保存されます。
このスプールからメールを取り出すには、Popperの設定をしてください。(こちらをごらんください。)
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