コマンド解説
cat
cat(concatinate)
ファイルの内容表示、ファイルへの書きこみ、ファイルの結合を行います。
1.ファイルの表示および書きこみを行います。
(形式) cat ファイル名
コマンドを入力するとキーボードからの入力を待ち、CTRL+Dを押すことによって入力モードを終了させることができます。
例)ファイルの表示
例)aaaへ入力内容を書きこむ
# cat > aaa
キーボードからの入力を待つ状態になります
abcdefg
CTRL+Dで入力状態終了
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この場合はcatコマンド入力後、キーボードから入力待ち状態となります。データを入力後、CTRLとDをおして強制終了させるとデータが書き込まれてaaaというファイルが作成されます。
2.「ファイル」を順番に読み取ってファイル3として表示します。また、この機能を利用して、複数のファイルの結合を行うことができます。
(形式) cat ファイル1 ファイル2… > ファイル3
例)
# cat > aaa
aiueo ファイルaaaの内容
# cat > bbb
sasisuseso ファイルbbbの内容
# cat aaa bbb > ccc
# ls
aaa bbb ccc
# cat ccc
aiueo
sasisuseso aaaとbbbの内容を結合してファイルcccとして書きこみました
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3. 指定したファイルの最後の一行にデータを入力します。
(形式) cat >>ファイル名
例)
# cat aaa
abcdefg (ファイルaaaのデータの中身)
# cat >> aaa
キーボードからの入力を待つ状態になります
aiueo
CTRL+Dで入力状態を終了します
# cat aaa
abcdefg
aiueo 最後の行に aiueo というデータが追加されました
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cd
cd(Chenge Directory)
(形式) cd ディレクトリ
「ディレクトリ」で指定された場所へ作業ディレクトリを移動しますします別のディレクトリへ移動します。
例)
# pwd 現在の作業ディレクトリは/usr/local/apacheです
/usr/local/apache
# cd /etc /etcへ移動します
# pwd
/etc /etcへ移動しました
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chmod
Chmod (Change Mode)
指定したファイルの許可モードを追加します。記号での指定方法と数字による指定の2種類があります。
<記号によるモード指定>
(形式) chmod [対象] [操作] [許可] ファイル名
・対象 u (user) …ユーザーに対する許可
g (group) …グループに関する許可
o (others) …その他のユーザーに対する許可
・操作 + …指定された「許可」を追加する。
- …指定された「許可」を禁止します。
・許可 r (read) …読み込みの許可
w (write) …書きこみの許可
x (execute) …実行の許可
例)
# ls -l aiueo ←まず現在あるファイルとファイルモードを調べます
- rw - r - - - - - 1 sakura 150 Nov 15 16:10 aiueo
ファイルaiueoは所有者sakuraに書きこみ、読み込みの許可がある
# chmod g+w aiueo ←許可モードを追加しました
ファイルaiueoに対してグループの書きこみ許可を与えます
# ls -l aiueo
- rw - rw - - - - - 1 sakura 150 Nov 15 16:10 aiueo
ファイルaiueoは所有者sakuraとグループに書きこみと読み込みの許可があります
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<数字によるモード指定>
(形式)chmod [数字] ファイル名
記号ではなく数字でも許可モードの設定ができます。
設定を行いたい項目の和を[数字]へ入れます。和はどんな設定を行っても重複しないようになっています。
0400 所有者による読み取りを許可します
0200 所有者による書きこみを許可します
0100 所有者による実行を許可します
0040 グループによる読み取りを許可します
0020 グループによる書きこみを許可します
0010 グループによる実行を許可します
0004 その他のユーザーによる読み取りを許可します
0002 その他のユーザーによる書きこみを許可します
0001 その他のユーザーによる実行を許可します
例)
# chmod 755 abc
755=0400+0200+0100+0040+0010+0004+0001
# ls -l abc
-rwxr-xr-x 1 username username 6 Nov 25 18:52 abc
この設定では所有者にすべての許可をあたえ、グループと他人は読み込みと実行のみを許可しました
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cp
cp(copy)
(形式) 1.cp [option] ファイル1 ファイル2
2.cp -r[option] ディレクトリ1 ディレクトリ2
3.cp [option] ファイル ディレクトリ
1. 指定したファイル(file1)を別のファイル(file2)へコピーする
2. 指定したディレクトリ(dir1)内容を別のディレクトリ(dir2)へ
コピーする
3. 指定したファイルをdirへコピーします
[option]
-i コピー先ファイルが既存の場合、置き換えを行うかどうか確認してくる。
(置き換える場合= y 、置き換えない場合= n と入力する)
-p 内容だけでなく、最終修正時刻・アクセス許可もコピーする。
-r ディレクトリ配下のファイルごとコピーする。(ファイルがサブディレクトリの場合は、その配下のファイルごとコピーする。)
例)
# cp abc abc2
# ls
abc abc2
abcがコピーされてabc2というファイルができました
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kill
killall
killと同様のコマンドですが、指定したプロセスをプロセスIDではなくコマンド名で終了させます。
また、killコマンドと同じオプションを使用することができます。
(形式) killall [option] COMMAND
例)
# ps
プロセスの詳細情報を表示してCOMMANDを調べます。Psコマンドについてはpsの解説をご覧ください。
PID TT STAT TIME COMMAND
12310 p0 Ss 0:00.83 sendmail
12387 p0 R+ 0:00.01 ps
# killall -HUP sendmail
これでsendmailを再起動されました
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make
make
ソースからインストール可能な実行形式へ変換する際にそのマシンに合った実行ファイルを作成します。
mkdir
mkdir(Make Directory)
ディレクトリを作成します。
(形式) mkdir directory
例)
# ls
aaa
# mkdir aiueo
# ls
aaa aiueo aiueoという名前でディレクトリを作成しました
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move
mv(Move File)
ファイルを移動・またはファイルの名前をかえます。
(形式) 1.mv [option] filename1 filename2
2.mv [option] directory1 directory2
3.mv [option] filename directory
1.filename1 を filename2 に移動(変名)する。
2.directory2 が既存の場合、directory2 の配下に directory1 を移動する。
directory2 が既存でない場合、directory1 を directory2 に移動(変名)
する。
3.各filename(サブディレクトリ指定可)を、最後に指定した directory 配下
に移動する。
[option]-i 移動先ファイルがすでに存在する場合、置き換えを行うかどうか
確認してきます。
netstat
netstat(show Network Status)
ネットワークの状態を出力します。秒数を指定すれば、その間隔で繰り返しレポートを出力します。
(形式) netstat [option] [秒]
[option]
-a 全ソケットの状態を出力します。
-r ルーティング情報を表示します
-n アドレスとポート番号を表示します
ping
ping
指定したドメイン・IPアドレスの送受信ができるかどうか調べます。
(形式) ping [option] [hostname(IPアドレス)]
[option]
-c パケットを送受信する回数を指定します。
指定しない場合は永遠にパケットを送りつづけます。
-f ECHO_REQUEST を相手ホストへ送り、ECHO_REPLYを受
信することによって
欠落したパケットがどれだけあるかを調べます。
スーパーユーザーのみ使用できるコマンドです。
-s ホスト間の速度が表示できます。
例)
# ping -c 3 www.sakura.ne.jp
PING ns1.sakura.ne.jp (210.155.3.2): 56 data bytes
64 bytes from 210.155.3.2: icmp_seq=0 ttl=252 time=16.103 ms
64 bytes from 210.155.3.2: icmp_seq=1 ttl=252 time=20.518 ms
64 bytes from 210.155.3.2: icmp_seq=2 ttl=252 time=16.658 ms
--- ns1.sakura.ne.jp ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 16.103/17.760/20.518/1.964 ms
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ps
ps(Process Status)
現在実行中のプロセス状態を出力します。また、プロセスIDを調
べることもできます。
(形式)ps
[情報の見方]
PID プロセスID
TT 端末
STAT 状態
TIME 実行時間
COMMAND コマンド
USER プロセスの所有者
%CPU CPUの使用率(%)
%MEM メモリーの使用率(%)
[option]
-a 他のユーザが所有するプロセスも含めて表示します。
-l プロセスの詳細情報を表示します
(プロセスの状態フラグ・優先度・サイズ・親プロセスのidなど)
-t* 制御端末が * であるプロセスのみ表示します
-c プロセスをコマンド名で表示します
-u ユーザごとのプロセスの詳細情報を表示します(CPU使用時
間・メモリ使用時間・サイズなど)
-x 制御端末を持たないプロセスも含めて表示します
なし psコマンドを発行したユーザーが所有しているプロセスのみを
表示します。
例)
# ps -a
PID TT STAT TIME COMMAND
プロセスの様子が表示されます
18527 p0 Is 0:00.61 -tcsh (tcsh)
18777 p0 I+ 0:00.40 -su (tcsh)
18818 p1 Is+ 0:00.28 -tcsh (tcsh)
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pwd
pwd(Print Current Working Directory)
現在のワーキングディレクトリ(作業ディレクトリ)のパス名を出力します。
例)
# pwd
/usr/local/sakura
現在の作業ディレクトリ
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rm
rm(Remove File)
指定したファイルを削除します
(形式) 1.rm [option] filename
2.rm -r[option] directory
1.ファイルを削除します。
2.directory以下のすべてのファイル、サブディレクトリを
削除します。
[option]
-i 削除しても言いか確認のメッセージを出します。
y(はい)またはn(いいえ)を入力します。
-f ファイルを強制的に削除します。
-r 指定したディレクトリ以下をすべて削除します
例)
# ls -F
aaa/ aiueo
# rm -ri aaa
remove aaa? y 削除するかどうか聞いてきます
# ls -F
aiueo/ aaaディレクトリを削除しました
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rmdir
rmdir(Remove Directory)
指定したディレクトリを削除します。
(形式) rmdir directorys
※rm -r と効果は同じです
vipw
vipw
パスワードファイルを編集します
例)username「test」、userID,GroupID「200,200」、本名「testplayer」、homeaddress「/home/test/」としたい場合の設定。
パスワードファイルの内容がエディタで開かれる
root::0:0::0:0:Charlie &:/root:/bin/csh
admin::10:10::0:0:Bourne-again Superuser:/root:/bin/sh
daemon:*:1:1::0:0:Owner of many system processes:/root:/sbin/nologin
operator:*:2:5::0:0:System &:/usr/guest/operator:/bin/csh
bin:*:3:7::0:0:Binaries Commands and Source,,,:/:/sbin/nologin
games:*:7:13::0:0:Games pseudo-user:/usr/games:/sbin/nologin
次の1行を加える
test::200:200::0:0:testplayer:/home/test (Ctrl+D) |
※この状態では、passwdがnull状態(何も入っていない)になっており、非常に危険です。登録したuserでloginした後、必ずpasswdコマンドを使ってpasswdを設定してください。
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