准教授 田中哲朗 氏
情報基盤センターでは、1997年4月より東京大学の施設の中にサーバーを設置するオンプレミスの形でWEB PARKを展開してきました。当初は無償のサービスで、特にシステムの稼働保証などもなくサービスを提供していました。その後、システムの2重化やバックアップの実施、課金システムの導入など、徐々に機能を拡張。ドメイン数が500を超えたあたりからシステムの管理が煩雑になってきました。
情報基盤センター 情報メディア教育研究部門 准教授で博士(工学)の田中哲朗氏は、「以前は教職員がサーバーを管理していたので、平日の昼間しか管理ができず、休日や夜間に障害が発生しても対応できませんでした。また以前は、平日の昼間に稼働していればよかったのですが、現在は24時間365日の稼働が不可欠です。そのため、教職員がボランティア的に対応するのではもはや限界という状態になりました」と話します。
また、これまではHTMLで記述した静的なコンテンツが配信できればよかったのですが、ここ数年はCMS(コンテンツ管理システム)を利用して動的コンテンツを配信したいというニーズも増えてきました。田中氏は「個々のドメインは小さな組織での利用になるので、それほど負荷は高くありません。ただしCMSを利用するには、バックエンドにデータベースが必要であり、数百サイト分のCMSを管理するのは現実的ではありませんでした」と話します。
そこでオンプレミスのサーバー群をレンタルサーバーに移行するための検討を開始。これまでのドメインが使い続けられること、WEB PARKで提供されていたサービスが同様に利用できること、強固なセキュリティ対策がなされていること、新たな設備投資の必要がないこと、比較的安価に導入できることなどの観点から要求仕様を定め、一般競争入札の結果、さくらインターネット「さくらのレンタルサーバ」を導入することを決定しました。