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mixi,GREE and SAKURA Internet

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最近、mixiやGREEといったSNSサービスが増えてきました。
かくいう私も、mixiとGREEそして、orkutやキヌガサといった、多種のSNSに登録しています。
これらを通じて、今まで疎通になっていた人との交流が再開したり、はたまた行方知れずだった友人との連絡が付いたりと、改めてインターネットのすばらしさを再認識したしだいです。

しかし、これはインターネット自身がすばらしいのではなくて、その上に載るコンテンツ。この場合はSNSというコンテンツが非常に充実したからにほかなりません。

昔、私が ”さくらインターネット” というサービスを始めた動機のひとつとして、自身ではコンテンツを作ることはできないけれども、その「場所」の構築なら可能ではないかということがありました。
結局、創業後に何回もコンテンツの創造を試みましたが、すべて失敗しました。損失額にすると間接的なものも入れて1,000万円を軽く超えるでしょう。
高い勉強料でしたが、自分のできること、そして "さくらインターネット" の本業はインフラサービスであって、それ以上でもそれ以下でも無いという事を認識できたことは、何事にも代えがたい価値をもたらしてくれました。
前期はそれを忠実に実行することにより黒字化を達成でき、ようやく一般企業レベルの給与を払えるようになりましたから、一定の結果は出たのかと(ひそかに)よろこんでいます。;-)

しかし、ひとつ気になることがあるのですね。
それは何かといいますと、インターネットの世界では「コンテンツ」が重要で、そしてすばらしいはずなのに、そのコンテンツが「サーバ重い」とか「ネットワーク重い」という、コンテンツには一見まったく馴染まないようなところでネックになってくる。
インフラがすばらしくないと「コンテンツのすばらしさ」を発揮できないのに、日本のインフラはクライアントばかり良くなって、サーバ側は非常に高価なままということが残念なのです。

それは、実はブロードバンド人口世界2位のインターネット大国の名の下に忘れられてしまっている「現実」であって、ユーザからの高速なリクエストに対するコンテンツ提供者の負担がむしろ増えてしまった状態が露呈してしまいました。

無料で優良なコンテンツを作るとサーバが重くてアクセスができない → 衰退するもしくは買収されてしまう。というスパイラルを何とかしたい。
我々は、コンテンツでは勝負にならないけれど、サーバ/iDC/バックボーンは常に余裕を持っているので、その余剰部分の供出をするだけでも、それらの「コンテンツ」をより充実したものにできるのではないかと思っています。

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GREEの紹介記事では、このようなキーワードがあります。
「田中さんはある大手IT関連企業の社員。といってもGREEは仕事とは無関係。作業は終業後や休みの日などに行う。サーバ費用などはすべて自己負担だ。」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0407/30/news006.html

「サーバ費用は自己負担」という記事を見て調べたら「さくらのサーバ」だったというときには、少し罪悪感を持ってしまいます。それを解くには、優良なコンテンツをがんばって提供されている方々への手助けをもっと拡充しなければならないのでしょう。

mixi,GREEほか、いろいろ優良コンテンツがありますが、有償無償を問わず、我々のインフラが手助けできるのであれば、これ以上の喜びはありません。

追記 2004/09/09:
ちなみに、FreeBSDのCVSUpサーバの提供 (cvsup.jp.freebsd.org / cvsup3.jp.freebsd.org) や、FTPサーバの提供 (ftp8.jp.freebsd.org) のほか、ブロードバンドスピードテスト (www.bspeedtest.jp) の提供や、その他フリーソフトウェアコミュニティへのサーバ提供など、いろいろとやっています。
もし、リクエストがあれば、遠慮なく寄せてくださいね。

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専用サーバ選定中って話題でさくらインタネを話題にしました。 その際、さくら田中氏のWeblogの記事を引用しましたが、他にこんなことも言ってました。 http://museum-web2.sakuraha.jp/19990125102957/~tanaka/archives/000069.html >創 続きを読む

コメント(4)

餅は餅屋という言葉がある様に得意分野での貢献というのは大きいですよね(^_^)。
昨今は価格戦争の末に買収なんて悲しい結果も多々あるみたいなので…。
チャレンジしつつも、さくらインターネットの維持と更なる発展を期待しております(私が言うのもなんですが…)。

引用頂き、ありがとうございます。

すでに、御社がなければ、成立していないサービスもたくさんあると思います。

これからも、がんばってください!

まだ有効利用できてなくて非常に申し訳ないですが,
Fedora JP Projectにもさくら様のサーバーを提供いただいています.
活用していく方向に話は進んでいっていますので,
しばしのお待ちを(苦笑

どもども。
サーバが必要な折にはぜひご相談下さい。

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自己紹介

本名:田中邦裕/1978年生まれ
1996年にさくらインターネットを創業しホスティングサービスを開始。 98年に有限会社インフォレスト(2000年に解散)設立後、翌年にさくらインターネット株式会社を設立して社長に就任。
05年に東証マザーズに上場
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このブログ記事について

このページは、が2004年9月 8日 23:16に書いたブログ記事です。

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