火曜日
新機能「ロードバランサ」について
「さくらのクラウド」では現在、新機能「ロードバランサ」のβテストを実施しています。無料トライアルへの申し込み方法については、以下をご覧ください。
▽ さくらのクラウド、「ロードバランサ β版」無料トライアルの実施につきまして
http://cloud-news.sakura.ad.jp/2013/03/07/loadbalanc/
こちらの機能の概要や利用方法についてお知らせします。
1. 概要
「ロードバランサ」機能は、さくらのクラウド環境内において仮想的なアプライアンス機器として動作するロードバランサを提供するサービスです。そのため、コントロールパネルからの操作で、クラウド環境内に構築済みのお客様環境へ素早く容易にロードバランシング環境を導入することが可能となります。
提供されるロードバランサの主な仕様は次の通りです。
構成 | DSR(Direct Server Return)方式(*1) |
ロードバランサの冗長化 | VRRPを用いた冗長化に対応 |
仮想IPアドレス(VIP)、ポート番号 | 最大4個まで |
実サーバ数 | 1VIPにつき10個まで |
性能目安 | 100Mbps、4000セッション、100cps程度 |
(*1) 「ルータ+スイッチ」または「スイッチ」を使用して構築されたネットワーク内にのみ設置ができます(共用セグメントへの設置はできません)。
2. 構成例
今回は構成例として、
- ルータ+スイッチを組み合わせたWebサーバの負荷分散
- スイッチを組み合わせたデータベースサーバの負荷分散
を挙げてみます。実サーバへの設定方法は次の項目で解説します。
例1: Webサーバの負荷分散
ルータ+スイッチ機能で割り当てられたお客様独自のIPアドレス帯域に接続されている複数のWebサーバを、冗長構成のロードバランサで負荷分散する場合の例です。
想定するネットワークの情報は次のとおりです。(以下の各IPアドレスは弊社テスト環境の帯域を使用しています。お客様環境のIPアドレスに読み替えてください。)
IPアドレス帯域 | 133.242.38.160/28 |
ゲートウェイ | 133.242.38.161 |
冗長構成ロードバランサ1(※1) | 133.242.38.164 |
冗長構成ロードバランサ2(※2) | 133.242.38.165 |
Webサーバ1 | 133.242.38.166 |
Webサーバ2 | 133.242.38.167 |
ロードバランサ仮想IPアドレス | 133.242.38.168 |
※1: コントロールパネルのロードバランサ情報画面では「IPv4アドレス #1」と表記
※2: コントロールパネルのロードバランサ情報画面では「IPv4アドレス #2」と表記
例2: データベースの負荷分散
スイッチ機能でプライベートネットワーク環境を作成し、ロードバランサでWebサーバのバックエンドとなるデータベースサーバの負荷分散する場合の例です。
IPアドレス帯域 | 192.168.1.0/24 |
Webサーバ(プライベートネットワーク側) | 192.168.1.1 |
ロードバランサ | 192.168.1.2 |
DBサーバ1 | 192.168.1.3 |
DBサーバ2 | 192.168.1.4 |
ロードバランサ仮想IPアドレス | 192.168.1.10 |
3. 導入設定
この項目では、先に上げた構成例1のネットワーク構成を例として設定を進めます。
ルータ+スイッチまたはスイッチの作成
さくらのクラウド環境内へロードバランサを導入する場合、必ず「ルータ+スイッチ」または「スイッチ」で構成されたネットワークが必要となります。これらの機能についての詳しい情報はオンラインマニュアルを参照してください。
実サーバのネットワーク設定
DSR構成でのロードバランシング動作が行われるように、実サーバ側でのネットワーク設定が必要となります。設定手順や設定項目については、一般的なDSR構成ロードバランサ導入時と同様です。今回は例としてCentOS6.3での設定を行います。これらの設定を実サーバすべてに適用します。
sysctl.confの設定追加
ループバックアドレスに設定した仮想IPアドレスでARPリクエストに応答しないよう、カーネルパラメータを設定します。
# vi /etc/sysctl.conf
以下の設定を追記してください。
net.ipv4.conf.all.arp_ignore = 1 net.ipv4.conf.all.arp_announce = 2
sysctl.confの設定内容を反映します。
# sysctl -p
ループバックアドレスの追加
新たにlo:0デバイスを作成し、仮想IPアドレス(今回の構成例では133.242.38.168)を設定します。
# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-lo:0
以下の内容を記載してください。
DEVICE=lo:0 IPADDR=133.242.38.168 NETMASK=255.255.255.255
ファイル作成後、ネットワーク設定を反映します。
# ifup lo:0
4. コントロールパネルの操作方法
では実際に、構成例1のネットワーク構成でロードバランサを導入するためのコントロールパネル操作手順を説明します。
現在のネットワークの確認
現在のネットワーク構成を確認します。コントロールパネル上部のメニュー「ネットワーク」をクリックすると作成済みのスイッチ一覧が表示されるので、ロードバランサを追加したいスイッチ名をダブルクリックします。構成例1のロードバランサ追加前の状態(Webサーバが2台スイッチに接続されている状態)である事が確認できます。
また、「マップ」タブをクリックし、スイッチとサーバの接続マップを確認することもできます。
ロードバランサの追加
それではこのスイッチの配下にロードバランサを追加します。画面上部のメニューより「アプライアンス」をクリックするとロードバランサ一覧画面が表示されるので、この画面右上の「追加」ボタンをクリックして作成を開始します。
作成画面では、構成例1の通り以下の内容を入力・選択します。
- 接続先スイッチ: ロードバランサを接続したいスイッチ
- 冗長化: はい
- VRID: 1 (ネットワーク内に設置するロードバランサは1台のみのためデフォルトのまま)
- IPv4アドレス #1: 133.242.38.164
- IPv4アドレス #2: 133.242.38.165
- ネットマスク: 28
- ゲートウェイ: 133.242.38.161
各情報の入力後、右上の「作成」ボタンをクリックし、ロードバランサの作成を開始します(使用可能になるまで数分程度の時間がかかります)。作成後は、ロードバランサ一覧画面で該当のロードバランサをダブルクリックし、作成時に入力した内容に問題のない事を確認してください。
ロードバランサの仮想IPアドレス設定
ロードバランサに仮想IPアドレスを設定します。ロードバランサ一覧画面で該当のロードバランサをダブルクリックし、「VIP設定」のタブをクリックします。
右下の「追加」ボタンをクリックすると仮想IPアドレス追加画面が表示されるので、各項目を入力します。
- VIPアドレス: 仮想IPアドレス
- ポート番号: 80
- チェック間隔(秒): 10(後述する実サーバのサービス稼動状態の監視間隔となります)
入力後、「作成」ボタンをクリックすると仮想IPアドレスが設定されます。スイッチ詳細画面では、作成した仮想IPアドレスのタブが新たに表示されます。
仮想IPアドレスへの実サーバ登録
これまで設定した仮想IPアドレスにロードバランシング対象となる実サーバを登録します。前項で確認した仮想IPアドレスの画面右下の「追加」ボタンをクリックし、実サーバ追加画面を表示します。
- IPアドレス: 133.242.38.166 (Webサーバ#1のIPアドレス)
- ポート番号: 80
- 監視方法: http
- パス: /index.html
- レスポンスコード: 200
監視方法は他にping、tcpが選択できますが、httpを選択することで指定したパス・レスポンスコードによる死活監視が行えるため、Webサーバの冗長化をする場合により確実な監視となります。構成例1では他に133.242.38.167の実サーバがあるので、こちらも同様に登録します。全ての実サーバ登録後のリストは以下のようになります。
設定内容の反映
これまで行ってきた設定はロードバランサ側に即時反映されない仕様となっています。設定の追加や変更を行った後は、必ず「反映」ボタンをクリックしてください。「反映」ボタン押下後はすぐに設定が有効となります。
「さくらのクラウド」では、新サービス「ロードバランサ」の提供を今春頃に計画しており、現在開発を進めております。
この度「ロードバランサ」の開発中のバージョンであるベータ版の無料トライアルを「さくらクラウド」をご利用のお客様向けに3月11日から3月31日まで実施することになりましたのでお知らせをいたします。
新サービス「ロードバランサ」は、さくらのクラウド環境内において仮想的なアプライアンス機器として動作するロードバランサを提供するサービスです。そのため、コントロールパネルからの操作で、クラウド環境内に構築済みのお客様環境へ素早く容易にロードバランシング環境を導入することが可能となります。
ぜひこの機会に「ロードバランサ」ベータ版の無料トライアルにお申し込みいただき、ご意見、ご要望をお寄せいただけますと幸いです。「ロードバランサ」の詳細や無料トライアルの応募方法につきましては、下記をご参照ください。
●「ロードバランサ」サービス仕様
主な仕様は以下の通りとなります。
構成: DSR(Direct Server Return)方式(*1)
ロードバランサの冗長化: VRRPを用いた冗長化に対応
仮想IPアドレス(VIP)ポート番号: 最大4個まで
実サーバ数: 1VIPにつき10個まで
性能目安: 100Mbps、4000セッション、100cps程度 (*2)
(*1)「ルータ+スイッチ」または「スイッチ」を使用して構築されたネットワーク内にのみ設置ができます。(*2) 常に性能を保証するものではありません。また、正式サービス時に変更になる場合もございます。
●「ロードバランサ」をお申込みいただけるお客様
現在、さくらのクラウドをご利用中のお客様で、無料トライアルの注意点に同意していただける方。
●「ロードバランサ」の無料トライアル提供期間
2013年3月11日(月)~ 2013年3月31日(日)
●「ロードバランサ」の応募方法
以下、必要事項にご記入の上、「cloud-support-ml@sakura.ad.jp」宛にメールでお申込みください。(「@」を全角としております。)
件名:[応募] さくらのクラウド「ロードバランサ」
会員ID
ご担当者様名
ご連絡先メールアドレス
ロードバランサの使用用途
●無料トライアルの注意点
- 当サービスには数に限りがございます。ご応募いただいた方が多数の場合は、抽選とさせていただきます。
- ベータサービスの終了後、弊社からのアンケートにご協力をしていただきます。
- 無料トライアルの対象となるのは「ロードバランサ」のみとなり、サーバやディスクについては、通常通りの料金が発生いたします。
- 当サービスは、ベータ版という性質上、可用性を常に保証するものではありません。また、メンテナンス等のため予告なくサービスを停止する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 当サービスは、ベータ版という性質上、ご利用いただくサーバの設定変更をお願いすることがあります。利用者が変更に応じられない場合、当サービスの提供を中止させていただく場合がありますのであらかじめご了承ください。
- 利用者の動作状態を検証するため、必要な情報のご提供をお願いすることがございますので、あらかじめご了承ください。
- 当サービスは2013年3月31日まで提供するものとし、必要に応じて期限の延長または短縮をすることがあります。提供期限の変更は、メールにて通知します。
- 当サービスに関するお問い合わせは、cloud-support-ml@sakura.ad.jp宛てメールでの受付、営業時間帯のみの対応となります。
月曜日
さくらのクラウド「パケットフィルタ」正式リリースのお知らせ
今までβ版として提供してきた「パケットフィルタ」ですが、コントロールパネルと同時に正式版の提供を開始いたしました。
「パケットフィルタ」は、サーバに着信するパケットを、指定した条件でフィルタリングする機能です。指定できる条件は、TCPやUDPなどのプロトコル、送信元ネットワーク、宛先ポートなどがあります。
β版ではルール変更の際に、サーバの再起動などが必要でしたが、正式版より「パケットフィルタ」のルール変更を行ってもサーバの再起動は必要なくなりました。
「パケットフィルタ」の利用方法は下記のリンクをご確認ください。
○新機能「パケットフィルタ」について
月曜日
さくらのクラウド、コントロールパネルリニューアルのお知らせ
今までβ版として提供させていただきました「新コントロールパネル」ですが、本日より正式版の提供を開始いたします。これに伴いまして、本日より標準のコントロールパネルが新コントロールパネルとなります。
【新コントロールパネルの使用方法について】
新コントールパネルのご利用方法については、サポートサイトにマニュアルをご用意しております。こちらをご覧ください
○http://support.sakura.ad.jp/manual/cloud/newbasic/
【新しく加わった機能などについて】
以前にご連絡をした通り、新コントロールパネルでは下記の機能が加わっております。
○パケットフィルタの搭載
○リモートスクリーンがiPadに対応
○「クローン」によるサーバ複製
詳細については下記のリンクをご確認ください。
・さくらのクラウド、新コントロールパネル β版の公開につきまして
・新機能「パケットフィルタ」について
【旧コントロールパネルを継続してご利用される方について】
旧コントロールパネルを継続してご利用されたい方は、新コントロールパネルの「旧コンパネに戻す」というボタンをクリックしてください。これで旧コントールパネルをご利用できます。
※ 旧コントロールパネルでは「パケットフィルタ」や「クローン」などの一部はご利用できません。
※ 旧コントロールパネルの提供期間は2013年3月末までを予定しております。
【皆様からのフィードバックをお待ちしております】
新コントロールパネルでは、より良いコントロールパネルを目指すため皆様からのフィードバックのお待ちしております。右下の[+]ボタンにマウスポインタをあわせてください。そうすると「フィードバックまたは問題を報告」という表示がでます。こちらをクリックすると「フィードバックを送信」という表示がでます。
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