「さくらのクラウド」では、10月18日・19日にISOイメージを追加いたしました。これら追加されたISOイメージのOSについて「名前を聞いたことはあるけど、どのようなOSなのかよくわからない」「どのOSが自分の要件にあっているかわからない」といった声をお聞きいたします。
 
今回は追加されたISOイメージの各OSについて簡単に解説いたします。
 

○ CentOS 5.8 / CentOS 6.3

言わずとして知れた RHEL クローン OS です。特徴としては、10 年間の長期サポート[1]があげられます。
 
互換性のために 32bit も用意しておりますが、32bit ではメモリサイズに制限があり、サーバのプラン変更を行った際にメモリが有効に利用できない、などといったケースが発生する可能性があります。そのため、特に理由が無ければ、64bit 版を利用されることをお勧めします。
[1] http://wiki.centos.org/Download

○ Scientific Linux 6.1 / 6.2 / 6.3

RHEL クローンの一つです。CentOS の場合新しいマイナーリリース(例えば CentOS 6.3)のリリース後は以前のマイナーリリース (CentOS 6.2) の更新が打ち切られますが、Scientific Linux の場合以前のマイナーリリースもセキュリティフィックスが供給され続けます。
 
マイナーリリースによる性能改善、機能追加を希望されない方は CentOS よりも ScientificLinux を選択したほうが良いと考えられます。
 
こちらも互換性のために 32bit も用意しておりますが、特に理由が無ければ、64bit 版を利用されることをお勧めします。

○ Fedora

RedHat 社が支援するコミュニティベースのディスストリビューションで、リリースが頻繁に行われており、最新の技術を積極的に取り込むことを特徴としており、最新の機能のテスト用途に適しています。ただしサポート期間が短いため、長期間の利用には適しません。

○ FreeBSD 8.3-RELEASE / 9.0-RELEASE

FreeBSD の公式ディストリビューションです。こちらも互換性のために 32bit も用意しておりますが、特に理由が無ければ、64bit 版を利用されることをお勧めします。

○ Debian GNU/Linux 6.0.6 / wheezy beta3

stable release である Debian GNU/Linux 6.0.6 “Squeeze” とtesting release である Debian GNU/Linux wheezy を用意しております。
 
変化を最小限に抑えたいサーバ用途では、ソフトウェアのバージョンアップ無しにセキュリティアップデートが提供される stable の利用が適しています。
 
testing は次期安定板でパッケージのバージョンが頻繁に更新されるため、サーバでの利用には適しませんが、stable と比較して新しいパッケージを利用できるというメリットがあります。

○ Debian GNU/kFreeBSD 6.0.6 / wheezy beta3

GNU のユーザーランドに FreeBSD のカーネルを組み合せたディストリビューションです。テクノロジープレビューとなっているためテスト用での利用を推奨いたします。

○ Ubuntu Server 12.04.1 LTS / 12.10

Debian GNU/Linux の unstable (sid) を元にしたディストリビューションで、Debian GNU/Linux の stable と比較してパッケージが新しくなっております。
 
5年のサポートがある、LTS (Long Term Support) 版とサポート期間が短かいですが、最新のパッケージが利用できる 12.10 を用意しています。ただ、LTS の場合でもサポートがあるのは、Main に含まれたパッケージのみで、Universe に含まれているものはサポートなしとなっている点には注意が必要です。

○ OpenIndiana

OpenSolaris が実質的に終了したことにより、OpenSolaris から分岐して実質的な作成されたディストリビューションが、OpenIndiana です。Solaris とのバイナリ・パッケージ互換を目標としている OS です。

○ Illumian

OpenSolaris に Debian で用いられている APT パッケージ管理システムを組み合わせたディストリビューションとして、NexentaCore がありましたが、OpenSolaris の終了に伴なって、OpenSolaris の変りに Illumosと組み合わせるようになったものが、Illumian です。
 
以上、今回の追加したISOイメージを簡単に解説してみました。皆様の要件にあったOSをご利用いただければ幸いです。

これまで「さくらのクラウド」ではディスクの接続方式として完全仮想化によるIDE デバイスをご利用いただいておりましたが、本日よりIDEに加えて準仮想化によるvirtioでのご利用が可能となりました。
 
※ 使用されるOSによってはドライバを別途インストールする必要がございます。
 
IDE ではデバイスの仕様上ディスクに対して同時に複数の I/O を発行することができませんでしたが、virtioではそれが可能になります。
 
virtioを利用することにより、具体的に性能の向上が確認できるケースとしては、ランダムリードがあげられます。
 
ディスクからの読み込みはシーク待ちおよび回転待ちが発生し応答までに数ミリ秒の時間がかかります。シーク時間はシーク範囲によって異なりますが、仮に 5ms とした場合、並列でI/Oを出せない IDE では 200 IOPS が限界となります。
 
virtio の場合は並列でI/Oを出すことができるため、ストレージの混雑状況にも依存しますが、並列度に応じて性能が向上します。
 
以下は複数スレッドでのランダムリードの比較結果です。

 

※ 混雑状況によっては、こちらの数値とならない場合がございます。

 

[virtioの対応方法について]

新しくサーバを作成される場合は、サーバ作成時に「接続タイプ」の項目で「virtio」を選択してください。

 
ディスクから作成する場合は、ディスク作成時の「接続タイプ」の項目で、接続タイプを「virtio」に選択してください。
 

 
 既に作成したサーバを「virtio」に対応させるためには、一度サーバを停止していただきディスクを取り外していただき、その後ディスクの「編集」画面で「接続タイプ」
を「virtio」を選択してください。

本日「さくらのクラウド」で利用できるISOイメージを追加いたしました。追加した ISO イメージは下記の通りです。


Ubuntu Server 12.10              (64bit)
Debian GNU/kFreeBSD wheezy beta3 (64bit)
Debian GNU/Linux wheezy beta3    (64bit)
 

また、下記の ISO イメージについては提供を終了させていただいております。


Debian GNU/Linux wheezy Beta2   (64bit)

本日「さくらのクラウド」で利用できるISOイメージを追加いたしました。
追加した ISO イメージは下記の通りです。

・CentOS 6.3                         (32bit/64bit)
・Scientific Linux 6.3               (32bit/64bit)
・Fedora 17                          (32bit/64bit)
・Ubuntu 12.04.1                     (64bit)
・Debian GNU/Linux 6.0.6             (64bit)
・Debian GNU/kFreeBSD 6.0.6          (64bit)
・Debian GNU/Linux wheezy Beta2      (64bit)
・FreeBSD 8.3-RELEASE                (32bit/64bit)
・OpenIndiana Build 151a5            (32bit/64bit)
・Illumian 1.0                       (32bit/64bit)
・Vyatta Core 6.4                    (64bit)
・pfSense2.0.1                       (64bit)
・Parted Magic

また、下記の ISO イメージについては提供を終了させていただいております。
・CentOS 5.6 / 5.7 / 6.0 / 6.2       (32bit/64bit)
・Fedora 15 / 16                     (32bit/64bit)
・FreeBSD 8.2-RELEASE                (32bit/64bit)
・Debian 6.0.2 / 6.0.5               (32bit/64bit)
・Ubuntu 10.04 / 11.04 / 12.04       (32bit/64bit)
・Gentoo 20111011 / 20111013 /
         20120306 / 20120517         (32bit/64bit)

「さくらのクラウド」では、本日より「パブリックアーカイブ」機能を提供いたします。
 
「パブリックアーカイブ」機能はOSのプリセット集となります。こちらを利用することで、すぐにサーバの作成が可能となります。
 
以前より「さくらのクラウド」では、OSのプリセット集である「パブリックテンプレート」機能を提供しておりましたが「パブリックアーカイブ」は、現在提供しているストレージ用にチューニングをしており、より安定してサーバの作成が行えます。
 
「パブリックアーカイブ」で提供するOSは下記の通りです。

・CentOS 5.7/5.8/6.2 (32bit/64bit)
・Ubuntu 10.04(32bit/64bit)
・Scientific Linux 6.1/6.2(32bit/64bit)
・FreeBSD 8.2/9.0(32bit/64bit)
・Debian 6.0.5(32bit/64bit)
・Ubuntu 12.04(32bit/64bit)
・Vyatta 6.3(64bit、6rd対応)

 
※ パブリックテンプレートにて提供中のOSを揃えております。
※ なお、2012年11月中にOSのアップデートを予定しております。
 
「パブリックアーカイブ」は、サーバ/ディスク作成時に「アーカイブ」の項目を選択することで、利用可能です。
 
なお、「パブリックテンプレート」は10月31日11月5日をもちまして廃止させていただきます。今後は「パブリックテンプレート」では無く「パブリックアーカイブ」の利用を推奨いたします。

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